はじめに

Macを使っていると、特定のアプリが反応しなくなったり、動作が重くなったりして、頻繁に再起動が必要になることがありますよね。毎回手動でアプリを終了して、また起動し直すのは面倒です。

そんな時に便利なのが、ワンクリックでアプリを再起動できるショートカットです。今回は、Mac標準の「Automator」を使って、初心者でも簡単に作れる方法をご紹介します。

必要なもの

  • Mac(macOS標準のAutomatorを使用)
  • 再起動したいアプリ(今回は例として「aText」を使用)

手順1:Automatorを開く

まず、Automatorを起動します。

  1. Spotlight検索を開く(⌘ + Space)
  2. Automator」と入力
  3. Enterキーを押して起動

手順2:新しいワークフローを作成

Automatorが開いたら、新しいワークフローを作成します。

  1. アプリケーション」を選択
  2. 選択」ボタンをクリック

手順3:アプリを終了するアクションを追加

まず、対象のアプリを終了するアクションを設定します。

  1. 左側の検索欄で「アプリケーションを終了」と入力
  2. 見つかったアクションを右側のワークフロー領域にドラッグ
  3. ドロップダウンメニューから再起動したいアプリ名を選択

手順4:再起動用のスクリプトを追加

次に、アプリを再起動するためのスクリプトを追加します。

  1. 検索欄で「シェルスクリプトを実行」と入力
  2. 見つかったアクションをワークフロー領域にドラッグ
  3. スクリプトボックスに以下のコードを入力:
sleep 3
open -a "アプリ名"

重要なポイント:

  • sleep 3:3秒間待機(アプリが完全に終了するまでの時間)
  • open -a "アプリ名":指定したアプリを起動
  • 「アプリ名」の部分は、実際のアプリ名に置き換えてください

設定値について

  • シェル: /bin/zsh(デフォルトのまま)
  • 入力の引き渡し方法: stdin へ(デフォルトのまま)

手順5:アプリとして保存

作成したワークフローをアプリケーションとして保存します。

  1. ⌘ + Sを押して保存ダイアログを開く
  2. 名前:わかりやすい名前(例:「aText再起動」)
  3. 保存先:Applicationsフォルダまたはデスクトップ
  4. 保存ボタンをクリック

手順6:ドックに追加(オプション)

より便利に使うために、作成したアプリをドックに追加できます。

  1. 保存したアプリをFinderで見つける
  2. アプリをドックにドラッグ&ドロップ

使い方

作成したアプリをダブルクリックするだけで、以下の流れが自動実行されます:

  1. 対象アプリが終了
  2. 3秒間待機
  3. 対象アプリが再起動

応用編

複数のアプリに対応

同じ手順で、他のアプリ用の再起動ショートカットも作成できます。例えば:

  • テキストエディタ
  • ブラウザ
  • 画像編集ソフト
  • 開発ツール

待機時間の調整

アプリによっては、完全に終了するまでの時間が異なります。sleep 3の数値を調整してください:

  • 軽いアプリ:sleep 2
  • 重いアプリ:sleep 5

ショートカットキーの設定

システム環境設定から、作成したアプリにキーボードショートカットを割り当てることも可能です。

トラブルシューティング

アプリが見つからない場合

「アプリケーションを終了」のドロップダウンに目的のアプリが表示されない場合:

  1. アプリが起動していることを確認
  2. 正確なアプリ名を確認(.appは不要)

スクリプトが動作しない場合

  • アプリ名のスペルを確認
  • 待機時間を長くしてみる
  • アプリのパスを絶対パスで指定

まとめ

この方法を使えば、頻繁に再起動が必要なアプリでも、ワンクリックで簡単に再起動できるようになります。特に:

  • テキスト展開ツール
  • システムユーティリティ
  • 開発ツール

などでよく使われる手法です。

一度作成してしまえば、毎回の作業効率が大幅に向上します。ぜひ試してみてください!


注意事項:

  • 保存されていない作業がある場合は、事前に保存しておきましょう
  • 重要なアプリの場合は、まずテスト用のアプリで試すことをお勧めします