Claude Code のプラグインシステムは、2026年に入って急速に拡大しました。公式マーケットプレイス claude-plugins-official には現在 288個のプラグインが登録されています。
数が多すぎて「結局どれを入れればいいのか」が分かりにくいのが正直なところです。
この記事では、実際に構成を組み直した過程をもとに、入れるべきものと入れないほうがいいもの、そして見落としがちな context 消費の管理までをまとめます。
プラグインとは
Claude Code のプラグインは、以下のコンポーネントをパッケージ化して配布する仕組みです。
| コンポーネント | 役割 |
|---|---|
| Skills | /名前 で呼び出せる手順書。Claude が自動で参照することもある |
| Agents | 特定用途に特化したサブエージェント |
| Hooks | ファイル編集時など、イベントで自動実行される処理 |
| MCP servers | 外部サービス・ツールとの連携 |
| LSP servers | 言語サーバー連携(型エラー検出、定義ジャンプ) |
プラグインを入れると、これらが一括で使えるようになります。
Claude Code v2.0 へのアップデート
プラグイン機能は Claude Code v2.0 以降で利用できます。
v1.x 系の場合はアップデートが必要です。ただし npm install -g は現在の推奨方法ではありません。
ネイティブインストーラーに切り替えてください。
claude --version
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
ネイティブ版は ~/.local/bin/claude に配置され、バックグラウンドで自動更新されます。npm 版から移行する場合は、古いインストールが PATH 上に残っていないか確認してください。
which -a claude
~/.local/bin/claude 以外が出てきたら、それは残骸です。npm グローバル版は npm uninstall -g @anthropic-ai/claude-code で、シンボリックリンクが残っている場合は直接削除します。
プラグインのインストール方法
v2.x では CLI から直接インストールできます。セッションに入る必要はありません。
# インストール(公式マーケットプレイスは標準で有効)
claude plugin install feature-dev
# 一覧
claude plugin list
# 更新
claude plugin update feature-dev
# 削除
claude plugin uninstall feature-dev
セッション内から GUI で操作したい場合は /plugin です。Discover / Installed / Marketplaces / Errors の4タブが表示されます。
コマンドには名前空間が付く
プラグイン経由のコマンドは /プラグイン名:コマンド名 の形式になります。
/feature-dev:feature-dev
/commit-commands:commit
/superpowers:brainstorming
README に短縮形で書かれていることがありますが、実際にインストールすると名前空間付きになります。複数プラグインのコマンド名衝突を防ぐ仕組みです。
スコープ
claude plugin install feature-dev # user(デフォルト・全プロジェクト)
claude plugin install feature-dev --scope project # プロジェクト共有・git管理される
claude plugin install feature-dev --scope local # 個人用・git管理されない
個人開発なら基本は user スコープで問題ありません。案件固有のものだけ project にする、という使い分けが扱いやすいです。
入れる前に知っておくべきこと:トークンコスト
プラグインは有効化するだけで、毎セッション context を消費します。10個入れれば10個分が常時載ります。v2.1 系にはこれを事前に確認するコマンドがあります。
claude plugin details superpowers
実行すると、こういう出力が返ってきます。
superpowers 6.2.0
Component inventory
Skills (14) brainstorming, systematic-debugging, test-driven-development, ...
Hooks (1) SessionStart (harness-only — no model context cost)
Projected token cost
Always-on: ~688 tok added to every session
Per-component (rounded)
component always-on on-invoke
test-driven-development ~30 ~3.3k
systematic-debugging ~40 ~3.5k
subagent-driven-development ~40 ~10.3k
- Always-on:毎セッション固定で乗るコスト
- On-invoke:そのスキルが実際に発火したときだけ乗るコスト
superpowers は14スキルもあって always-on 688トークンなので、かなり効率の良い設計です。逆に、always-on が大きいのに滅多に使わないプラグインは外す判断ができます。
目的別のおすすめ構成
個人開発者の基本セット(5つ)
claude plugin install superpowers
claude plugin install commit-commands
claude plugin install security-guidance
claude plugin install claude-md-management
claude plugin install php-lsp # 使用言語に合わせて
superpowers(913.9K インストール)
Claude の計画・デバッグ・テストの質を底上げするスキル集です。サードパーティ製(obra 氏)ですが公式マーケットプレイスに登録されています。
14のスキルが含まれます。
writing-plans/executing-plans— 計画の立案と実行test-driven-development— Red/Green TDDsystematic-debugging— 体系的なデバッグ手順verification-before-completion— 完了報告の前に検証するbrainstorming— 要件の掘り下げsubagent-driven-development— サブエージェント駆動開発
CLAUDE.md にテスト手順を長々と書いている方は、これで置き換えられます。 自分でワークフローを記述するより、既に整備されたスキルを呼ぶよう促すほうが軽くて確実です。
commit-commands(162K インストール)
/commit-commands:commit # 変更を分析してコミット
/commit-commands:commit-push-pr # コミット→プッシュ→PR作成
/commit-commands:clean_gone # マージ済みブランチの掃除
リポジトリの既存コミットスタイルを読み取ってメッセージを生成します。「AI がなかなかコミットしてくれない」という悩みへの直接的な対策になります。
security-guidance(220.8K インストール)
コマンドではなく フックとして動作します。Edit / Write の実行前にスクリプトが走り、コマンドインジェクション・XSS・危険なコードパターンを検出して警告します。
インストールするだけで有効になり、明示的に呼び出す必要はありません。Web アプリケーション開発では入れておきたい1つです。
claude-md-management(264.5K インストール)
CLAUDE.md 自体の品質を監査・改善するプラグインです。
/claude-md-management:claude-md-improver
実際に手元のプロジェクトで走らせたところ、100点満点中68点(グレードC)という評価とともに、以下が検出されました。
- 参照マップに実在しないファイルパスが2行(綴りミスで数ヶ月放置されていた)
- CSS のビルド手順が未記載(生成物を直接編集する事故が実際に発生していた)
- スキルが参照する設計書へのリンク欠落
パスの実在チェックまで走らせてくれるので、放置された死んだ参照を潰すのに有効です。
言語サーバー(LSP)
自分の使用言語に対応したものを1つ入れてください。13言語ぶん用意されています。
| プラグイン | 言語 | 事前準備 |
|---|---|---|
php-lsp |
PHP (Intelephense) | npm install -g intelephense |
typescript-lsp |
TypeScript/JavaScript | npm install -g typescript-language-server typescript |
pyright-lsp |
Python | pip install pyright |
rust-analyzer-lsp |
Rust | rust-analyzer をインストール |
他に gopls / ruby / jdtls / csharp / clangd / kotlin / swift / lua があります。
注意:プラグインは接続設定だけで、言語サーバー本体は含まれません。 先に本体を入れてください。/plugin の Errors タブに Executable not found in $PATH が出ていたら、本体が見つかっていない状態です。
これを入れると、Claude が編集した直後に型エラーや未定義関数を検知できるようになります。効果が体感しやすいわりに、あまり紹介されていないプラグインです。
必要に応じて追加
frontend-design(1M インストール・最多)
「ジェネリックな AI っぽいデザイン」を避けて、独自性のあるフロントエンドを生成するスキルです。スラッシュコマンドではなくスキルとして動作し、フロントエンド関連のタスクで自動的に参照されます。
ただし、自前のデザインシステムがある場合は注意が必要です。 プラグイン側の主張が強く、既存の規約と競合する可能性があります。1案件試してから常用するか判断してください。
context7(392.8K インストール)
React、Next.js などのライブラリのバージョン別最新ドキュメントを取得する MCP サーバーです。学習データより新しい API を使いたいときに有効です。
claude-security
自分のコードベース全体をローカルでスキャンし、脆弱性を検出します。security-guidance が「編集時の警告」なのに対し、こちらは「既存コード全体の診断」です。役割が違うので併用できます。
session-report(9.8K インストール)
セッションのトークン消費・キャッシュ・コストを HTML レポートとして出力します。プラグインを増やした後、実際にどれだけ消費しているか確認する用途に。
hookify(57.1K インストール)
hooks.json を直接編集せず、Markdown ファイルでフックを作成できます。「Task 完了時に CHANGELOG.md が更新されていなければ止める」といった強制ルールを作れます。
CLAUDE.md に書くのは「お願い」ですが、フックは「強制」です。記録やコミットが習慣化しない場合の最終手段として有効です。
入れないほうがいいもの
数が多いぶん、重複しているプラグインを両方入れてしまうのがよくある失敗です。
feature-dev と superpowers
どちらも開発ワークフローを構造化するもので、役割が重なります。両方入れると Claude がどちらに乗るか迷います。
feature-dev— 7フェーズ(要件整理→コード調査→質問→設計→実装→レビュー→まとめ)の固定ワークフローsuperpowers— 個別のスキルを状況に応じて呼び出す
どちらか一方にしてください。手順を毎回きっちり踏みたいなら feature-dev、柔軟に使いたいなら superpowers です。
serena と LSP プラグイン
serena はセマンティックコード分析の MCP サーバーですが、LSP プラグインと目的が被ります。LSP のほうが軽く、確実です。
ブラウザ系3種の使い分け
ここが最も混同されやすい部分です。3つとも役割が違います。
| ツール | 性質 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| Claude in Chrome | 組み込み。今使っているブラウザ(ログイン状態・Cookie込み)を操作 | 認証が必要なページの確認、日常的な表示チェック |
| chrome-devtools-mcp | Google 製。DevTools の全機能にアクセス | パフォーマンス分析、ネットワーク・コンソールの調査 |
| playwright | Microsoft 製。クリーンなブラウザを起動 | クロスブラウザ E2E テスト、CI 連携 |
3つ全部入れる必要はありません。
Claude in Chrome は組み込みなので、/chrome で実表示を確認するだけなら追加インストールは不要です。表示速度の分析が必要になったら chrome-devtools-mcp、Firefox/Safari での検証が必要になったら playwright、という順で足していくのが無駄がありません。
なお playwright は、ページ操作のたびにアクセシビリティツリー全体(複雑なページでは5万トークン超)が返ります。常用すると context を一気に消費するので注意してください。
browser-use も同系統ですが、上記3つと役割が完全に重複します。
adobe-for-creativity
Photoshop / Illustrator が使えるようになると期待して入れる方が多いようですが、これは Claude Code 用ではなく Claude チャット・Cowork 側のコネクタです。
実際に動作するレベルは Adobe Express 相当の作業が中心で、Illustrator も統合対象に入っているものの、複雑なベクター操作は含まれていません。
Illustrator の作業を自動化したいなら、Claude Code に ExtendScript / UXP スクリプトを書かせるほうが確実です。
MCP の context 消費について
以前は「MCP サーバーは有効化するだけで context を消費するので、必要な時だけ有効に」と言われていました。~/.claude/settings.json に ENABLE_TOOL_SEARCH を追加する方法が広まりましたが、この手順はもう不要です。
MCP Tool Search は Claude Code v2.1 系でデフォルト有効になりました。MCP のツール定義が context の一定割合を超えると自動的に遅延読み込みに切り替わり、必要になったツールだけが読み込まれます。
/context を実行して以下のように表示されていれば有効です。
MCP tools · /mcp (loaded on-demand)
ENABLE_TOOL_SEARCH を false にすると従来の一括読み込みに戻せますが、通常は触る必要がありません。
本当に効くのは MCP より「メモリファイル」の整理
MCP を切っても実は大した削減になりません。本命は ~/.claude/ に溜まったメモリファイルです。
現状を確認してみてください。
/context all
実際に確認したところ、こうなっていました。
System prompt: 6.5k tokens (0.7%)
System tools: 17.6k tokens (1.8%)
Custom agents: 1.4k tokens (0.1%)
Memory files: 38.3k tokens (3.8%) ← システムプロンプトの6倍
Skills: 3.9k tokens (0.4%)
~/.claude/CLAUDE.md 自体は357トークンしかないのに、そこから import されているファイル群で38.3k を消費していました。SuperClaude Framework などを導入していると、使っていないモジュールが積み上がりがちです。
整理の手順
ファイルを移動するだけでは効きません。 ~/.claude/CLAUDE.md の import 行を消す必要があります。
# ~/.claude/CLAUDE.md の中身(例)
@FLAGS.md
@PRINCIPLES.md
@RULES.md
@MODE_Introspection.md
@MODE_Business_Panel.md ← 使っていないなら削除
@MCP_Serena.md ← serena を入れていないなら削除
手順は以下の3ステップです。
# 1. 使っていないファイルを退避(削除ではなくアーカイブ)
cd ~/.claude
mkdir -p _archive
mv MODE_Business_Panel.md MCP_Serena.md _archive/
# 2. ~/.claude/CLAUDE.md から該当する import 行を削除
# 3. Claude Code を再起動(重要)
メモリファイルはセッション開始時に読み込まれるため、再起動しないと反映されません。
この整理で、実測 38.3k → 21k(約45%減) になりました。セッション開始時の固定コストは 51.6k、1M コンテキストに対して5%です。
判断基準はシンプルです。
- 入れていない MCP のドキュメント → 不要
- 使っていない機能のモード定義 → 不要
- プラグインと役割が重複するもの → プラグイン側を優先
プラグインが解決しないこと
最後に、実際に運用してみて分かった限界を書いておきます。
claude-md-management に CLAUDE.md を監査させたところ、CSS のビルド手順が未記載である点などは的確に検出されました。しかし、以下は指摘されませんでした。
- 段階的テスト駆動開発の記述がない
- Task ごとの実環境動作確認が定義されていない
- ログ・知見の記録ルールがない
- Git コミットのタイミングが決まっていない
これは improver の不備ではありません。ドキュメントとしての品質(記述の正確さ・網羅性)は監査できても、「あなたのワークフローに何が欠けているか」は判断材料を持たないからです。
プラグインは手順を代行してくれますが、どういう手順で開発したいかは自分で決めて書く必要があります。 ここは自動化できない部分です。
なお superpowers が入っているなら、書き方は変わります。手順を CLAUDE.md に展開するのではなく、スキルを呼ぶよう促すほうが軽くて確実です。
## 開発ワークフロー
Task 実装時は superpowers のスキルを使う:
- 計画:`writing-plans` → `executing-plans`
- 実装:`test-driven-development`
- 完了前:`verification-before-completion`
- 詰まったとき:`systematic-debugging`
**Task 完了の定義**(superpowers では担保されない、プロジェクト固有の要件):
1. `/chrome` で実表示を確認済み
2. `logs/devlog/{日付}_{Task番号}_{概要}.md` を作成済み
3. `commit-commands:commit` でコミット済み
superpowers が知りようのない部分だけを明示し、あとは委譲する形です。
まとめ
| プラグイン | 一言で |
|---|---|
| superpowers | 計画・デバッグ・TDD のスキル集。まず入れる |
| commit-commands | コミット習慣の定着 |
| security-guidance | 編集時のセキュリティ自動警告 |
| claude-md-management | CLAUDE.md の品質監査 |
| 各種 LSP | 型エラーの即時検出。言語サーバー本体を先に入れる |
導入の際は、以下の3点を意識してください。
claude plugin detailsでトークンコストを確認してから入れる- 役割が重複するものを両方入れない(feature-dev と superpowers、serena と LSP、ブラウザ系3種)
- プラグインより先に
~/.claude/のメモリファイルを整理する(削減幅が桁違い)
288個ありますが、実際に常用するのは5〜6個で十分です。まずは superpowers を入れて、開発の進み方がどう変わるか体感してみてください。
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