Adobe Firefly Video の Image-to-Video(画像から動画生成) 機能を使ってみたところ、
想像以上のクオリティでした。
写真2枚から「カメラがパンする」動画を生成したり、パーティクルエフェクト素材を作成したり。
静止画しかない案件でも、動きのある映像素材が手軽に作れるワークフローを紹介します。
Firefly Video とは
Adobe Firefly Video は、Adobe の生成AI「Firefly」に搭載されている動画生成機能です。テキストプロンプトや画像から短い動画(4〜8秒)を生成できます。
Firefly 上では Adobe 自社の「Firefly Video モデル」に加え、Google の Veo 3.1 や Veo 3.1 Fast といったパートナーモデルも選択可能で、用途に応じて使い分けることができます。
使用したモデルと特徴
Firefly Video で選択できる主な動画生成モデルは以下の通りです。
| モデル | 最大尺 | 解像度 | クレジット消費 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Firefly Video | 5秒 | 1080p | 500cr | Adobe自社モデル。 プロモ期間中は対象プランで無制限 |
| Veo 3.1 | 4〜8秒 | 1080p | 200〜400cr | Google製。 最高品質、リアリズム重視 |
| Veo 3.1 Fast | 4〜8秒 | 720p | 40〜80cr | Google製。高速・低コスト。 今回メインで使用 |
今回の案件では Veo 3.1 Fast(4秒 / 40クレジット) をメインに使用しました。
720p という解像度制限はありますが、Topaz Video AI でアップスケール・スロー化すれば最終出力には問題ありません。
クレジット消費が Veo 3.1 の 1/5 なので、何パターンも試せるのが大きなメリットです。
実践:写真からカメラパン動画を生成する
手順
- Firefly Video(firefly.adobe.com )にアクセス
- 「動画を生成」→「フレーム」セクションで、最初のフレームと最後のフレームに写真を設定
- モデルを「Veo 3.1 Fast」、時間を「4秒」、縦横比を「ワイドスクリーン(16:9)」に設定
- プロンプトでカメラワークを指示して生成
Image-to-Video のポイント
Firefly Video の Image-to-Video 機能は、最初のフレームと最後のフレームの2枚の写真を指定することで、AIが2枚の間を補間するようにカメラワーク付きの動画を生成します。
つまり、同じ被写体を異なるアングル・距離で撮影した2枚の写真があれば、パン・ズームイン・ズームアウトといったカメラワーク動画が作れます。
実際のプロンプト例
Veo 3.1 (ズームイン):
Slow dolly-in toward the station entrance,
camera gently moving left and closer.
Bright sunny day, steady cinematic movement.
Veo 3.1 Fast(ズームアウト):
Smooth slow camera pull-back and zoom out,
revealing the full station building and taxi rotary below.
Slight pan to the right as the view widens.
プロンプト作成のコツ
- カメラワークを明確に指示するなpull-back(後退)、dolly-in(前進)、pan right/left(左右パン)、zoom out/in(ズーム)
- 動きの速さを指定するなslow, gentle, subtle など
- 天候・雰囲気を伝えるなsunny day, overcast, blue sky など、写真の実際の天候に合わせる
- 安定性を強調するなsteady, cinematic, no shaking は必ず入れる
- 英語推奨な日本語でも入力可能だが、英語の方が精度が高い印象
応用:パーティクルエフェクト素材の生成
Firefly Video は風景動画だけでなく、合成用のエフェクト素材の作成にも使えます。
今回は、動画のオープニングで使う「光の粒が降り注ぐ」演出を、Firefly Video で生成しました。
Video AC や Mixkit などの素材サイトではイメージに合うものが見つからなかったのですが、Firefly Video ならプロンプトで色味・速さ・雰囲気を自由に調整できるため、案件ごとにカスタマイズしたオリジナルのエフェクト素材が作れます。
Adobe Firefly で動画素材を作成し、Adobe Stockで管理する方法
クレジット消費の詳細
Firefly Video のクレジット消費は、モデルと秒数によって異なります。
Veo 3.1 のクレジット消費
| モデル | 4秒 | 6秒 | 8秒 |
|---|---|---|---|
| Veo 3.1 | 200 | 300 | 400 |
| Veo 3.1 Fast | 40 | 60 | 80 |
Firefly Video モデルのクレジット消費
| モデル | 5秒(固定) |
|---|---|
| Firefly Video | 500 |
Veo 3.1 Fast は最もコスパが良く、4秒で 40クレジット。まずは Veo 3.1 Fast の4秒で品質チェック → 問題なければ採用、というワークフローがおすすめです。
4秒でも Premiere Pro で速度調整すれば 6〜8秒に伸ばせますし、Topaz Video AI でのスロー処理も可能です。
おすすめの料金プラン
Firefly Video のプレミアム機能(動画生成)を使うには、対応するプランが必要です。
最もおすすめ:Creative Cloud Pro
| プラン | 月額(税込) | クレジット/月 | 動画生成 | その他 |
|---|---|---|---|---|
| Creative Cloud Pro | ¥10,280 | 4,000 | ✅ | Photoshop, Premiere Pro 等 20種以上のアプリ |
| Creative Cloud Standard | ¥7,780 | — | ❌ | アプリのみ (プレミアム機能なし) |
すでに Creative Cloud を利用しているなら、Creative Cloud Pro が圧倒的にコスパ最強です。
Standard との差額はわずか ¥2,500 で、4,000クレジット+プレミアム機能へのアクセスが付きます。1クレジットあたり約0.65円は、Firefly 単体プランより安い計算です。
Veo 3.1 Fast(4秒 / 40cr)なら 月100本 生成できます。
複数メンバーでの利用なら、クレジットはアカウントごとに付与されるため、4名なら月16,000クレジット(Veo 3.1 Fast で月400本)も可能です。
Creative Cloud を使っていない場合:Firefly 単体プラン
| プラン | 月額(税込) | クレジット/月 | Veo 3.1 Fast 4秒 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Firefly Standard | ¥1,580 | 2,000 | 約50本 | 画像生成メインの方向け |
| Firefly Pro | ¥3,180 | 4,000 | 約100本 | 動画生成メインならこちら。 Photoshop Web版付き |
| Firefly Premium | ¥31,680 | 50,000 | 約1,250本 | 法人・大量生成向け |
Firefly 単体プランは 月単位で契約・解約が可能 なので、必要な月だけ利用することもできます。
動画生成を本格的に使うなら Firefly Pro がおすすめです。Standard だとクレジットが足りなくなりやすく、Pro は Photoshop のブラウザ版・モバイル版も使えるためお得感があります。
参考:Google AI Plus との比較
Google が提供する Veo 3.1 直接利用プラン(Google AI Plus / Pro)もありますが、
Firefly 経由の方が現時点では使い勝手が良いです。
| Firefly 経由 | Google AI Plus | |
| 月額 | CC Pro: ¥10,280 / Firefly Standard: ¥1,580 | ¥1,200 |
| Veo 3.1 Fast 生成数 | 50〜100本/月 | 約10本/月 |
| Image-to-Video | ✅(最初/最後のフレーム指定) | ✅(Flow) |
| クレジット追加購入 | 可能 | 日本では不可 |
| 解像度 | 720p(Fast)/ 1080p(標準) | 720p |
Google AI Plus は月200クレジットしかなく(Veo 3.1 Fast で10本程度)、
日本ではクレジットの追加購入ができない制限があります。
Firefly 経由なら同じ Veo 3.1 / Veo 3.1 Fast を、より多くのクレジットで利用できます。
注意点
実際に使ってみて気づいた点をまとめます。
CGパース画像では Image-to-Video がうまくいかない
実写の写真では良好な結果が得られた Image-to-Video ですが、マンションの外観CGパースのような3DCG画像では期待通りの結果になりませんでした。
各モデルで試した結果は以下の通りです。
| モデル | 画像入力方法 | 結果 | クレジット消費 |
|---|---|---|---|
| Veo 3.1 Fast | 最初のフレームに指定 | 背景が真っ黒になっただけ | 80cr |
| Firefly Video | 参照画像として指定 | 動画(.mov / .mp4) のみ対応でエラー |
500cr |
| Veo 3.1 | 参照画像として指定 | 別の建物に変わってしまう (8秒固定) |
400cr |
CGパースは実写と異なり、AIが「何を動かすべきか」を正しく判断できないようです。
建物の形状やテクスチャが大きく変わってしまい、元の外観を維持できませんでした。
CGパースの場合は、Premiere Pro のモーションエフェクト(位置・スケールのキーフレーム)でゆっくりパン・ズームをかけ、別途 Firefly Video で生成した空や光の素材を合成する方が確実です。
Text-to-Video のコンテンツポリシー
Text-to-Video で人物を含む動画を生成する場合、子どもに関連するプロンプトは
コンテンツポリシーで弾かれることがあります。同じような内容でも、表現の仕方によって通ったり通らなかったりするため、エラーが出た場合はプロンプトを簡潔にするか、風景のみに切り替えて対応しましょう。
解像度は 720p のみ(Veo 3.1 Fast)
Veo 3.1 Fast は 720p でないとエラーが出ます。1080p で生成したい場合は通常の Veo 3.1 を使うか、Topaz Video AI などでアップスケールする必要があります。
細い構造物にアーティファクトが出ることがある
交通標識や電線など、細い構造物が一瞬崩れることがあります。ただし、PR動画のカットとして使う分にはほとんど気にならないレベルです。気になる場合は Premiere Pro でその箇所の速度を上げて通過させる手もあります。
逆パターンも試すべき
同じ2枚の写真でも、最初と最後のフレームを入れ替えると逆方向のカメラワークになります。
- A → B:ズームアウト(引きの映像)
- B → A:ズームイン(寄りの映像)
両方生成して、編集で良い方を採用するのがおすすめです。Veo 3.1 Fast の4秒なら40クレジットなので、気軽に試せます。
まとめ
Adobe Firefly Video(Veo 3.1 Fast)を使った動画素材の生成は、
静止画しかない案件でも動きのある映像を作れる強力なワークフローです。
- コスパ最強は Veo 3.1 Fast(4秒 / 40クレジット)
- 2枚の写真で Image-to-Video → カメラパン・ズーム動画が簡単に作れる
- エフェクト素材の生成にも使える(パーティクル、ボケ光など)
- Creative Cloud Pro ユーザーは追加費用なしで利用可能
- 720p は Topaz Video AI でアップスケールすればOK
従来なら撮影が必要だったカメラワーク付きの動画や、素材サイトでは見つからないオリジナルのエフェクト素材を、プロンプト一つで生成できる時代になりました。
Firefly Video、ぜひ試してみてください。
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