はじめに
日本国内のサイトなのに、インドやインドネシアなど、明らかにターゲット層ではない地域からの大量のアクセスが発生することがあります。本記事では、なぜこのような現象が起きるのか、そしてLooker Studioを使用してこれらのボットトラフィックを除外する方法について解説します。
なぜインド・インドネシアからの大量アクセスが発生するのか?
以下のような特徴から、これらのアクセスはボットによるものと判断できます:
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アクセスパターンの不自然さ
- 新規ユーザー率が異常に高い(95-100%)
- エンゲージメント率が低い
- 機械的なアクセスを示唆するパターン
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サイトの特性との不一致
- 日本語のみのコンテンツ
- 明確なローカルターゲット(例:福岡の不動産)
- 海外向けのコンテンツが一切ない
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技術的な特徴
- Google Analytics や Google Tag Manager を実装しているサイトが標的になりやすい
- アクセス解析ツールのスパム対策が目的の可能性
Looker Studioでボットトラフィックを除外する方法
1. フィルタの作成
Looker Studioで以下の手順でフィルタを設定します:
- 「フィルタを追加」をクリック
- フィルタ名を設定(例:"-India")
- 以下の条件を設定:
- 除外条件を選択
- ディメンション「地域」を選択
- 「次を含む正規表現」を選択
- 以下の正規表現を入力:
Aceh|Assam|Bali|Banten|Bengal|Bengkulu|Bihar|Cagayan Valley|Calabarzon|Chittagong|Davao|Delhi|Dhaka|Goa|Gorontalo|Gujarat|Haryana|Ilocos|Islamabad|Jakarta|Jambi|Jammu|Java|Kalimantan|Karnataka|Kashmir|Kerala|Khulna|Lampung|Luzon|Maharashtra|Maluku|Manila|Mindanao|Mymensingh|Odisha|Papua|Pradesh|Punjab|Rajasthan|Rajshahi|Rangpur|Riau|Ropar|Sindh|Sulawesi|Sumatra|Sylhet|Taipei|Tamil|Telangana|Tenggara|Tripura|Visayas|Yogyakarta
2. フィルタ適用後の効果
フィルタを適用することで以下のような効果が得られます:
- 実際のターゲット層(日本国内)のデータがクリアに
- より正確なエンゲージメント率の把握が可能
- マーケティング施策の効果測定の精度向上
その他の対策
- GA4のボット除外設定の活用
- IPアドレスベースのフィルタリング
- 地域ターゲティングの設定
まとめ
ボットトラフィックの完全な排除は難しいものの、適切なフィルタリングを行うことで、より意味のあるデータ分析が可能になります。定期的にアクセスパターンを確認し、必要に応じてフィルタの更新を行うことをお勧めします。
参考情報
- フィルタの正規表現は大文字・小文字を区別するため、地域名は正確な表記で入力する必要があります
- フィルタは新しいデータにのみ適用され、過去のデータには影響しません
- より詳細な分析が必要な場合は、GA4の設定でボットトラフィックの除外を併用することを検討してください